ペーパードライバーにも運転しやすい車①
どんな車が乗りやすい?
教習をしていると、よく聞かれることがあります。
「運転初心者が乗りやすい、運転しやすい車ってどんなのですか?」
運転にあまり自信がなく、とりあえず近所を走れればいいという方は、軽自動車のような小さい車が運転しやすいと感じるでしょう。
もう少し運転に慣れてきて、ある程度の太さの道を走るようになると、アクセルを踏んでストレスなくスーっと加速していく車が乗りやすいと感じるようになるかもしれません。
極論してしまえば、乗りやすさは人それぞれなのですが、乗りやすい車、運転しやすい車をいくつかの点から考えます。
車の見切り
初心者が車を運転するのにいちばん困るのは、車の前後左右の感覚だと思います。
ほとんどの人が無意識に右に寄って走ってしまうのも、左側の車両感覚がわからないためです。
そして街路樹やガードレールが怖くて無意識に右側に寄ってしまう、カーブのときは反対にハンドルを切ってしまうのです。
端的に言って車両感覚が掴みやすいのは、四角い箱に近い車です。
前後の幅はここまで、左右の幅もここまで、と四角い箱に近いほど感覚は掴みやすくなります。
現在いちばん売れている車、ホンダのNワゴンです。
前も後ろも左右も、ストンとまっすぐ面が切り立っています。
少しでも社内の空間を広くすため、というのもありますが、運転席からも、前、後ろ、左右がどこまであるか、わかりやすくなっています。
最小回転半径
運転に慣れていない人が車に乗って、どのくらいの軌道でカーブを曲がっていくのかわかりづらいですよね。
最小回転半径とは、ハンドルをどちらかに全部回して一回転する半径のことです。狭い街中などの小回りの良さを表しています。
これは車の大きさ、タイヤの切れる角度によります。
スマートフォーツー、トヨタIQなどの二人乗りのミニマム車は、前後タイヤの間隔(ホイールベース)も短く、最小回転半径は3メートル台。
狭い住宅地などでは小回りが利きます。
メルセデスベンツの最高級車マイバッハの最小回転半径は7メートル以上します。
こんな車を日本の狭い住宅地で乗ったら大変です。
後部座席には乗りやすいでしょうが、運転する人は気を使います。
最小回転半径は、日本の一般的な軽自動車で4~4.5メートル。
トヨタ・ヤリス、トヨタ・アクア、日産ノートなどのコンパクトカーになると4.5~5メートル。
ちなみに教習車はトヨタ・アクアを使用しています。
カローラ、マツダ3、インプレッサなどは5~5.5メートルと、最小回転半径は車の大きさ(ホイールベース)に合わせて少しずつ大きくなっていきます。
購入検討する車の中で、最も大きいと思われるトヨタ・アルファードは5.6メートル、日産・エルグランドは5.7メートルです。
ほかのミニバンとさほど変わりは無いようです。
トルクと馬力
アクセルを踏んだ時に、ストレスなく進んでいくのも乗りやすさの基準です。
もっとも今、ストレスを感じるほど進まない車はほとんど無くなりましたが、昔は踏んでも踏んでも走らない車があったのです。
馬力とトルクって聞いたことありますか?
車のパワーを表すのに、昔はよく「馬力」という言葉を使いました。
1馬力は75キログラムの物を毎秒1メートル動かす力、のことです。記号だとPSで表します。1PS=735.5ワットです。
自動車エンジン ガソリンを燃やす内燃機のほか、現在は電気モーターの併用も多くなっている
今はPSもあまり使わなくなり、カタログでも国際基準のキロワットで表すようになりました。
簡単に言うと、馬力は最高速度です。
これに対してトルクというのがあります。
トルクとは、ある回転軸を中心に働く、回転軸中心の動きのことです。
車だとエンジンを回す力のことですから、アクセルを踏んだ時にグンと前に進む力ということになります。
普段、街中で車を乗るためには、こちらのトルクのほうが重要となります。
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