ペーパードライバーも知っておきたい、災害に強い車とは?

災害に強い車

この冬はお正月から、予期せぬ地震に予期せぬ大雪と、日本は災害が多いことを再認識させられています。

いつ何時、災害に襲われるかわかりません。そこで今回は「災害に強い車」という観点で車を考えてみます。

これから車を購入される際の参考や、災害に強い車を探す際のヒントにしてみてください。

悪路走破性(オフロード能力)

まず、悪路走破性です。

災害が起きたら、緊急的には徒歩で非難することが原則です。でも時間に余裕があったり、より遠くまで逃げるのには車が有効です。

災害が発生すると、道路が損壊したり、土砂崩れなどが起きたりします。

災害によって路面状況が悪化し走行不能になってしまうと、避難所や安全な場所まで逃げられません。

そこでポイントなのが悪路走破性です。災害時には舗装されていない道路や悪天候の状況が予測されるため、オフロード能力が重要です。

悪路を走破するうえで重要な点として、駆動方式やボディ・サスペンションの構造などが挙げられます。悪路走破性が高い車の特徴は、高いボディ剛性やラダー(はしご型)フレームを採用している四輪駆動(AWD/4WD)の車です

車高

車高の高さは災害時に重要なポイントです。

地面が隆起していたり、そこまでではなくとも、大雪や大雨の時なども車高が高い車のほうが走りやすくなります。

冠水した道路や雪が積もった道などで前に進もうとすると、バンパーにかかる圧力が想像以上に強いことを感じると思います。

雪道などでは雪の圧力で、たちどころにバンパーが割れてしまいます。

車高が高ければ、ボディへ圧力を受けないで進めます。

当然、マフラーの位置も高くなるので、マフラーからエンジンへ水が逆流することも抑えられます

車のカタログに表記されている「最低地上高」は、地面から車の最底面までの高さを表す数値です。この数値が大きいほど車高が高く、地面から離れています。

この最低地上高は、車のカスタマイズの一つである「リフトアップ」によって調整可能です。オフロード車などでリフトアップしている車をたまに見かけます。

大容量のトランクスペース

:緊急時に必要な物資や救急具、避難用品を携帯できる十分なトランクスペースがあると便利です。

また、車中泊が必要になった場合でも、足を伸ばせてフラットになるスペースがあると快適です。

一番良いのはキャンピングカーですが、なかなか手を出せるものではありません。

前回のコラムでも書きましたが、狭い空間に長時間滞在すると、エコノミークラス症候群が心配です。

やはり、天井も高く身体を伸ばせるミニバンやSUVなどが良いと思われます。

また、商用車などのフラットな荷台が確保できるものも良いでしょう。

電源としての車

今の車にはUSBやシガーソケットなどの電力供給端子が備わっているため、スマホの充電程度なら十分に行えます。市販の100Vインバーターを使用すれば一部の家電製品も使えます。

しかし、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどを搭載した普通の車はバッテリーの容量が少ないため、原則としてエンジンを稼働させながら使う必要があります。

冷暖房使用時もエンジンを始動させる必要があるためガソリンの減りも早いですし、場所によっては騒音や排気ガスが問題になります。

その点、電気自動車ならば、そもそもエンジンがないため、騒音や排気ガスの問題を気にすることなく暖房・冷房が使えるうえ、大容量バッテリーを搭載しているため、停電時でも十分な電力を確保できます。

ただしこれも「ガソリン車と比べれば」という話で、電気を使い果たしてしまえば、移動すらできなくなってしまいます。

またガソリン車と比べると重量が重いため、移動させるのも困難です。

両方の中間点の車が、ハイブリッドやプラグインハイブリッド車です。

ガソリン車よりは大型のバッテリーを備えていますし、ガソリンで発電できます。十分な電力確保が可能。さらに電力が少なくなってもエンジンを発電機として使い、バッテリーに充電ができます。

ボディ剛性

四輪駆動(AWD/4WD)で最低地上高が高くても、ボディ剛性が弱ければ、長時間災害で荒れた路面を走破できません。そのため、ボディ剛性が十分に強い車を選んだほうが良いと思います。

また、オフロードをメインとした車や本格的な悪路走破性をセールスポイントとしている車には、ラダー(はしご型)フレームが採用されているケースが多いです。

はしご型の形状をしているラダーフレームは、フレームの上にボディを結合させた構造となっており、悪路における剛性が高く、走破性にも優れています

トヨタのランドクルーザー系やサーフ、スズキ・ジムニーなど、本格的なオフロード車がこれに当たります。

ですがラダーフレームの車は、骨組みが大きく重くなり、燃費も悪くなるため、小型の乗用車などには向かず、今では絶滅危惧種となっています。

現在良く売れているシティ型SUVは、乗用車の骨格の上にSUVのボディを乗せているものが多いため、ボディ剛性は普通の乗用車とさほど変わりません。

まとめ

災害に強い車は、防災グッズの一つでもあります。

地震、津波、台風、豪雨、洪水、土砂崩れなど、日本は災害の多い国です。

いざという時のためにも、購入する際に迷ったら、災害に強い車を選ぶのも良いかもしれません。

そして最後に。

ここまで読まれると、トヨタ・ランドクルーザー、スズキ・ジムニー、三菱・デリカなど、本格的オフロード性能を備えた車だけを思い浮かべるかもしれません。

意外と盲点なのが軽トラックです。

高い車高、4WDの走行性能、軽量な車体は田畑のぬかるみも走行できるように作られています。

居住性はありませんが、荷台にブルーシートでテントを張ったりして寝ることもできます。

なかなか都市部で一台目の車に軽トラを買う人はいないでしょうが。。

※災害時は原則として車を置いて避難します。やむを得ない状況のとき(歩けない人がいる、津波から逃げるときなど)は、車を使い一刻も早く安全な場所へ逃げるようにしてください。